時は嘉永年間、初代岩国屋惣兵衛はふと「自分は土着の者で楓谷の麓に暮らしながらこのような旧跡地の名所を平素山野のように荒れたままにしておくのはいかにも残念なことだ。」と思い立ち、因幡屋茂吉という人と奉行所へ開拓のお願いに行き、承諾を得たそうです。
後、川を挟んでむこうに茂吉さん、こちらに惣兵衛が亭を結ぶかたわら、二人は競い合うようにして下木を払い、地をならし、苗木を植え、さらには橋をかけ、それまでの天然に幾分の人工を加えてもみじ谷の基礎とともに岩惣がスタート。それは安政元年(1854)秋のことでした。
玄関母屋は明治二十五年からのもので、ロビーは昭和五十六年の改築時からのつくりです。ウグイス、セミとカエル、スズムシの声、冬は静けさがここまでやってきます。宴会場は新館の誕生とともに、それまでの木造の宴会場「臨渓閣」から「管絃」(115畳・お座敷で100名様、椅子席で80名様収容)へと生まれ変わりました。
現在は、本館・新館・離れと全38室を設え、国立公園に佇む老舗旅館のため、ごゆっくりとした時間を過ごすことができます。
宿帳を見ると、皇室をはじめ、政治家、文豪などたくさんの著名人が宿泊し愛してきた宿です。
伝統や格式ばかりでなく、そのラグジュアリーモダンな魅力にあふれ、その実力は世界が認めています。
ミシュランひとつ星に選出されたことがそれを証明しています。
それが世界中の要人が利用している理由です。
京懐石で長年腕を磨きあげた料理長は、その伝統を受け継ぎながら、自ら吟味した新鮮な季節の食材を、繊細で創意を重ねる匠の技で渾身の一品に仕上げます。
美味しいものを、一番美味しく味わって欲しいというおもてなしの心と、五感で堪能できる懐石料理が愉しめます。
地下わずか五メートルの水源ながらラドンを含んだ温泉を発見しました。
国立公園の森林のなかなので鹿のお散歩路にも面する露天風呂からは、運がいいと愛らしい鹿に出会えるかもしれません。
また夜にはライトアップされた原始林を楽しむことができます。小川のせせらぎにも癒されます。
岩惣のご購入はこちらから行えます。
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